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映画 アフガン戦場の旅

       〜記者たちは何を見たのか

2002年 70分 監督・撮影 吉岡逸夫

アフガン戦場の旅

 

 

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監督作品

 

     

2001年11月3日、同時多発テロ事件に対する米国のアフガニスタンへの報復攻撃の取材に出た。パキスタンからトルコ経由でタジキスタンに入る。そこから、アフガンの首都カブールへ。

カブールで見た光景は、日本で報道されるアフガンのイメージとは違っていた。米軍による誤爆は限りなく少ないし、アフガン人の生活は、空爆時もタリバン時代も現在も、ほとんど何も変
わっていないように見えた。

タリバン政権の本拠地カンダハルにも潜入し、全行程50日間。新聞取材をしながら、私的なテーマ「報道の舞台裏」をビデオムービーを使って追いかけた。

「ジャーナリストは、なぜ危険を冒してまで戦場に行くのか」。質問を周囲の記者たちに突きつけた。

日本や欧米のジャーナリストたち(フリーランスのビデオジャーナリスト、新聞記者、カメラマン、 テレビ記者など)が登場し、本音を語る。

カンダハルには、日本人ジャーナリストとして初めて現地入り。作者がたどり着いたジャーナリスト像とは・・・

 

 

 

このドキュメンタリーには、新聞の行間にも書き込めなかった、ましてやテレビの限りある時間のニュースのなかでもとうてい伝え切れない、戦争をする地と人々、そこで取材をするメディアの素の言葉と表情があふれている。「なぜそこに行くのか?」と聞かれれば、「そこに行かなくてはわからないから」と私は答える。そして「そこへ行かれない」という状況では常に自分がズルしているようで、うしろめたい。そうかといって、意気揚々乗りこむのも、あさましい。そんな 気持ちの行ったり来たりも見事に表現されている。でも、なんでもいい。やっぱり私は現場に行きたい。いかなる所でも。これを見て、あらためてそう思った。

ニュースキャスター 安藤優子

 

戦場で戦う戦士あるいは戦禍に翻弄される民衆ではなく、それを取材するジャーナリストを追いかけるという今までにない視点で同業者を追いかけている。「なぜジャーナリストは危険を冒してまでも戦場に行くのか。」と言う問いをたんたんと取材していく。社命であるいは志願して戦場にやってきたジャーナリストたちは家族のことから報道姿勢までをビデオに向かって本音を語っていく。同業者には本音で語らざるを得ないのだろう。そのインタビューされるジャーナリストの背後に以外と穏やかな戦禍のアフガンが写っている。

探検家(グレートジャーニー) 関野吉晴

 

普段「メイキングもの」=「生産過程の記録」をやっているせいで、気づいた。「視点」が面白かった。「報道情報」を「生産」する「労働者」の日常を記録しようとしていること。「戦争・戦場」という「非日常」の中に「日常」を見ようとしていること。これは「情報」を生産する現場のメイキング映像であった。その流れから言って、もっと突っ込んで欲しかった点が二つ。(1)自分が記事を書き「東京新聞」に送る部分を入れ込めたはず。三脚での自動収録、あるいは第三者に撮ってもらうことで、そこに「報道する労働者個人の好奇心」と「ジャーナリズムという社会制度および会社の問題」と「情報を消費する読者の関心・好奇心」とのすり合わせが行われるはずで、それを自分としてはどのように処理したのか。これは現在の社会にとってどういう意味を持つのか、などがあぶり出せたはずと考えるからです。(2)通訳やドライバーを雇う所などがリアリティーがあって面白く感じられたので、もっと「情報生産にかかるお金」の問題を逐一報告した方がよかったのではないか。今の世の中、消費者の意向ばかりにあらゆる企業が気を配っていて、それは産業社会としては無理のないことではありますが、もっと生産現場の問題が語られるべきだったと思うのです。(特に「情報」の生産現場は丸秘扱いが多いので、明らかにできるものは明らかにしていく方がよいと個人的に思います)

テレビマンユニオン副社長 浦谷年良

 

吉岡逸夫に初めて会ったのは、もう三年前のちょうど今頃に行われたガーデンパーティの場だった。そのパーティの主催は、パリ人肉事件の佐川一政。名刺を交換しながら、たぶんお互い、おかしな奴だと思っただろう。その後、なぜかいろんな場で彼に出くわしたり、時には取材を受けたりしたけど、やっぱりその印象は今も変わらない。その飄々とした外見とは裏腹に、実に熾烈(たぶん標準的な人生の五回分くらい)な人生を、吉岡はこれまで歩んできた。そしてきっと、今も歩み続けている。その吉岡がアフガンを撮った。 しかも視点はアフガンに集まった世界中のジャーナリストに向けられている。これが面白くないはずはない。吉岡の個性とこれまでのキャリア、東京新聞という良い意味で放埒な新聞社、9・11以降のアフガニスタンという極限状況、様々な因子がこの作品に背景には込められている。瞠目してみて欲しい。アフガン報道は多数のビデオジャーナリストたちが、現地から連日、レポートをくりかえしていたが、吉岡の視点はまた彼らとも違う。いずれにせよ、アフガンに吉岡がいたことを感謝したい。現象には様々な多面性がある。彼が呈示するこの作品は、僕にとっては特に重要な問題を提起してくれた。

ドキュメンタリー作家 森達也

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アフガン写真

 

 

 

東京新聞の読者です。いつも吉岡記者の写真や記事に興味をひかれていたので、新聞をみて、早速みにきました。この映画も興味深いものでしたし、階段途中の写真すばらしく拝見しました。是非銀座近辺ででも写真展を開催して下さい。56歳 弁理士

 

イラン映画「カンダハール」の影響で、チラシにあった「アフガニスタンからいろいろ経由して首都カブールからカンダハルに日本人記者として一番乗りした」という映画の内容に興味を持って観に来ました。「カンダハール」は結構リアルに描かれていると思いますが、やはり作り話には変わりなく、現実にカンダハルに入るのはどうなっているのか観たいと思いました。今回の「アフガン戦場の旅」とても貴重な映像でした。淡々と事実が描がれているのを想像していたのですが、各記者の方のコメントがあったのがよくて、内容が期待以上でした。カンダハルに入ることがあれほど厳しいことなのか・・・とほとんど映像が残されていないことにショックを受けました。当日観客に報道関係の方が多そうでしたが、私はまったくかけ離れた職業で普段から報道やジャーナリズムに関して考えたことがなかったので、質疑応答等ただただ聴いて理解しようとするのみでした。報道にも物語が求められ、ありのままを伝えていないことに驚き、「真実」という報道のイメージが崩れてしまいました。ステージに上がられた記者の方々が、自分の意見を懸命に考えながら答えているのが印象に残りました。と同時にそれだけ難しいテーマなのかなと思いました。25歳 会社員

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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